【1月10日 AFP】中部アフリカ10か国からなる中部アフリカ諸国経済共同体(Economic Community of Central African StatesECCAS)の臨時首脳会議が9日、チャドの首都ヌジャメナ(N'Djamena)で開かれ、中央アフリカで続いている宗教間衝突問題を協議した。

 会議には、中央アフリカでかつて反体制勢力を率いていたミシェル・ジョトディア(Michel Djotodia)暫定大統領も出席を求められ、資源に恵まれながら経済的には貧しい同国を引き裂いている前例のない暴力の連鎖に歯止めをかけられずにいることに批判が集まった。

 中央アフリカ情勢にも強い影響力を持ち、ECCASの議長も務めるチャドのイドリス・デビ(Idriss Deby)大統領は会議の開幕にあたり、この1か月で1000人以上の死者を出している戦闘を終わらせるため「具体的で断固たる行動」を呼び掛けるとともに、参加国には「中央アフリカが陥った泥沼から抜け出せるよう団結と決意を示す」義務があると述べた。

 会議に出席した首脳らは、中央アフリカで広がっている主にイスラム教徒からなる元反体制勢力と、同国で多数を占めるキリスト教徒らが自衛のために結成した民兵団との間の激しい衝突を、暫定政府が抑止できていない現状を最も懸念している。ECCASは、今回の首脳会議の目標は「政権交代」ではないと強調しながらも、アラミ・アフマト(Allami Ahmat)事務局長は中央アフリカが「不適任で、無力ささえ露呈させた暫定政府」の下で「嘆かわしい状況」に陥っていると指摘している。

 この臨時首脳会議について、中央アフリカの旧宗主国で先月同国に1600人の部隊を派遣したフランスのローラン・ファビウス(Laurent Fabius)外相は同日仏テレビの取材に対し、中部アフリカ首脳らがジョトディア氏の進退について何らかの「決断」を下すだろうという見方を示した。

 これに対し中央アフリカのコミュニケーション相は、ジョトディア氏辞任の臆測について危機的状況の悪化を招くだけと一蹴。しかしジョトディア氏本人は、「権力の座に居座りたいとは思わない」と語ったとされる。

 チャド当局筋によると、中央アフリカのニコラ・チャンガイ(Nicolas Tiangaye)暫定政府首相も出席している同首脳会議は10日夜まで続く見通しだという。(c)AFP/Stephane Yas