【1月8日 AFP】ベネズエラで6日、元ミス・ベネズエラで女優のモニカ・スピア(Monica Spear)さん(29)とそのパートナーの英国出身男性(39)、娘(5)の一家3人が銃撃を受け、スピアさんと男性は死亡、女児も負傷した。当局が翌7日発表し、同国には衝撃が走った。路上強盗とみられている。

 検察当局が声明で明らかにしたところによると、スピアさんとトーマス・ヘンリー・ベリー(Thomas Henry Berry)さんらが乗っていた車が同国北西部の高速道路上で故障、その後殺害された。娘のマヤ・ベリー・スピア(Maya Berry Spear)ちゃんは右脚にけがをしたものの、手当てを受けて容体は安定しているという。スピアさん一家は、故障した車がレッカー車に載った直後に5人の人物に襲われ、3人は故障車内に逃げ込んだが犯人らはその車に向かって発砲したとみられる。

 ミゲル・ロドリゲス(Miguel Rodriguez)内相は、この事件に関連して5人の身柄を拘束し取り調べを行っていることを明かし、「強盗とみているが、捜査中だ」と述べた。当局はレッカー車の作業員2人からも聴取を行い、捜査担当者らは詳しく調べるためスピアさん一家の車も押収した。

 スピアさんは2005年ミス・ユニバース大会でも準々決勝まで残り、その後はテレビドラマに出演。米国に在住していたが、休暇のためベネズエラに一時帰国中に今回の事件に巻き込まれた。また、英国生まれのベリーさんはベネズエラ市民権を取得していた。

 昨年の大統領選で治安の悪化に歯止めをかけると公約していたニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領は、「これは虐殺行為だ」と述べ、「この暴力はわれわれが抱えている病気だ」と嘆いた。ベネズエラは世界で最も殺人発生率の高い国の一つとされ、昨年2013年の殺人発生率をNGOのベネズエラ暴力行為監視団(Venezuelan Observatory of Violence)」は住民10万人当たり79件、内務省はこれより低い39件と報告している。(c)AFP/Valeria PACHECO