【1月6日 AFP】英国の新聞紙上で、日中の駐英大使が互いの国を、英人気児童小説「ハリー・ポッター(Harry Potter)」シリーズに登場する悪役の魔法使い「ヴォルデモート卿(Lord Voldemort)」呼ばわりする中傷合戦が生じている。

 林景一(Keiichi Hayashi)駐英日本大使は、6日付の英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)に掲載された日中外交論争をめぐる意見記事で、中国政府をヴォルデモート卿にたとえ、次のように述べた。

「東アジアは岐路にあり、中国の前には2つの道が開けている。1つは対話を求め、法の支配に従う道だ。もう1つは、日本側からは状況を悪化させないにもかかわらず、中国がこの地域においてヴォルデモート卿の役を演じ、軍拡競争と緊張激化という悪を解き放つ道だ」

「答えは明確に思える。これまで中国は、わが国の指導者たちとの対話を可能にすることを拒んできた。しかしわたしは、中国がもはや存在しない70年前の『軍国主義』の亡霊を呼び出し続けるのをやめ、前に進み出ることを心から望んでいる」

 林大使のテレグラフ紙への寄稿は、1日の同紙に掲載された劉暁明(Liu Xiaoming)駐英中国大使の論説に反論したものとみられる。劉大使も日本を「ヴォルデモート卿」になぞらえていた。

 劉大使は、安倍晋三(Shinzo Abe)首相が昨年末に靖国神社(Yasukuni Shrine)を参拝したことを痛烈に批判し、「軍国主義が日本につきまとうヴォルデモート卿だとすれば、東京にある靖国神社は、日本の魂の最も暗い部分を隠した『分霊箱』だ」と述べていた。

「分霊箱」(英名:ホークラックス)とは、「ハリー・ポッター」シリーズでヴォルデモート卿が使った魔法で、不死の力を得るため自分の魂を分割し、その断片を入れておくもの。邪悪な魔法とされる。(c)AFP