■科学研究にしわ寄せ

 今回の救助活動の影響を受けて、フランスの海洋学の研究チームが今月ラストロラーブ号を使って2週間かけて実施する予定だった活動は中止を余儀なくされたが、フルノ氏は「われわれはまだ幸運だった」と語った。「中国はすべての科学プログラムを中止しなければならなかったし、オーストラリアで私と同じ立場にいる人物は、夏季の予定がすべて台無しになって激怒している」

 南極には科学研究を目的とする約80の基地があり、約40か所には人員が常駐しているが、残りは毎年一定の季節、あるいは一時的にのみ利用されている。また、内陸にあるのは3か所だけで、その他はすべて沿岸部に設置されている。

 フルノ氏は「基地が通年で活動を行うには食料や燃料を補給することが不可欠だが、それが可能な期間は短い」と述べ、補給船が救助活動に使われれば補給が危うくなると指摘した。(c)AFP