【1月4日 AFP】1980年から2008年の間に、発展途上国では肥満や過体重の人の数が4倍近くに増え、約10億人となったことが3日、英シンクタンク「海外開発研究所(Overseas Development InstituteODI)」の報告書「未来の食生活(Future Diets)」で明らかになった。

 報告書によると、発展途上国では今日、豊かな国よりも肥満や過体重の成人がはるかに多い。世界中では成人の3人に1人以上が肥満または過体重で、その数は14億6000万人だ。

 1980年から2008年の間、発展途上国における肥満や過体重の人は2億5000万人から9億400万人に増えた。先進国では3億2100万人から5億5700万人への増加となっている。肥満あるいは過体重の人が世界人口に占める割合は23%から34%に増えた。

 海外開発研究所の主任研究員で今回の報告書の作成にも参加したスティーブ・ウイギンズ(Steve Wiggins)さんは、「現在の傾向では特定の種類のがん、糖尿病、脳卒中、心臓発作などの患者が世界的に劇的に増加しており、公的医療制度に大きな負担をかけている」と述べている。

 同研究所の報告書によると、1980年以降、人口に占める肥満・過体重の人の割合は中国とメキシコでは約2倍に増えたほか、南アフリカでは約30%の増加となっている。北アフリカや中東、南米の肥満・過体重の人の割合は約58%で、欧州と同じ水準になったという。

 報告書は、収入が増加するにつれて穀物やイモ類より肉や脂肪、砂糖をより多く食べるようになった食生活の変化や、生活の中で座っている時間が増えたことなどが発展途上国で肥満が増えた原因だとしている。(c)AFP/Robin MILLARD