【1月1日 AFP】南極海で氷に囲まれて先月24日から動けなくなっているロシアの調査船「アカデミック・ショカリスキー(MV Akademik Shokalskiy)」号に乗っている人たちは1日、自分たちが作った歌を歌って新年を迎えた。

 ショカリスキー号は、南極の仏デュモン・デュルビル基地(Base Dumont D'Urville)の東方約100カイリで厚い氷に阻まれて立ち往生している。

 乗っている74人のうち乗組員以外の52人をヘリコプターで救助する計画だが、救助活動を取り仕切るオーストラリア海洋安全局(Australian Maritime Safety AuthorityAMSA)によると現場付近は1日も雨が降り、20~30ノット(10~15メートル)の風のためヘリコプターを飛ばすことができなかったという。

 動画共有サイトのユーチューブ(YouTube)に投稿された動画によると、ショカリスキー号に乗っている人たちは甲板の上に張ったテントの中で、「南極で科学をするのは楽しい」「まだここから動けないなんてなんて残念」と歌った。

 ショカリスキー号に乗っている調査隊のリーダーの1人で、オーストラリア産のスパークリングワインで新年を祝ったというクリス・ターニー(Chris Turney)さんは、インターネット電話スカイプ(Skype)を通じてAFPの取材に応じ、「このテントは私たちが張ったんです。居心地がいいですよ」と話すとともに、「額を寄せ合ってしばらくの間心配なことを忘れるのは、わたしたちチームにとって必要なことだったと思います」と、歌作りは元気を出すための役に立ったと語った。

 ターニーさんによると、船内では観測装置などの荷造りや、裁縫、サルサダンス、そのほか各自の特技を生かしたことをして忙しく過ごしているという。(c)AFP/Madeleine COOREY