【12月24日 AFP】世界各国の政府が採用し、紛争地帯でも広く使用されている自動小銃「AK47」の設計者、ミハイル・カラシニコフ(Mikhail Kalashnikov)氏が、長い闘病生活の末、23日に死去した。94歳だった。同氏の勤務地だったロシア中部ウドムルト(Udmurt)共和国政府が発表した。

 同氏が開発した銃は、今日では時に無差別殺人の代名詞とみなされることもあるが、同氏はかつてソ連の国民的英雄であり、ソ連軍の象徴的存在としてたたえられていた。ロシア政府によると、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は訃報を受け、同氏を「類まれな」設計者とたたえ、遺族に「心からの哀悼の意」を表したという。

 象徴的な自動小銃の開発で名声を博したとはいえ、カラシニコフ氏は自分の銃が世界中の紛争地帯で使われる兵器になるとは夢にも思っていなかったという。露首都モスクワ(Moscow)のクレムリン(Kremlin)宮殿で開かれた同氏の90歳の誕生日を祝う式典では、「私は母国の領土を守るための武器をつくった。時に不適切な場所で使われたこともあるが、それは私の責任ではない。政治家の責任だ」と語っていた。

 AK47は、「カラシニコフの自動小銃(Kalashnikov's Automatic)」の頭文字と、最終的な型が開発された1947年の数字を組み合わせて命名された。「カラシニコフ銃」と呼ばれこともある同型銃は、世界中でこれまでに1億丁以上販売され、イラクやアフガニスタン、ソマリアをはじめとする紛争地帯でも多く使われている。(c)AFP/Stuart WILLIAMS, Anna SMOLCHENKO