【12月23日 AFP】動物愛護団体などから長い間、ガチョウやカモの飼育方法が残酷だと批判を受けてきたフランスのフォアグラ生産者の間で、行き過ぎを認め、生産方法を変えていこうとする動きが出ている。

 フォアグラは、ガチョウやカモの喉にプラスチックのチューブを入れ、飼料を胃に直接に流し込む強制肥育(ガバージュ)によって肥大させた脂肪肝。フランスではクリスマスや祝宴の際の定番食材だ。

 仏フォアグラ生産者委員会(CIFOG)のマリー・ピエール・ペー(Marie Pierre Pe)氏は「80年代、フォアグラの30~35%は東欧諸国から輸入されていた。私たち(フランスの生産者)は競争力を高めなければならず、やり過ぎたかもしれない」と話す。

 フォアグラ愛好家たちは、野生の鳥も長距離移動する渡りの際には餌を大量に食べるものだと主張し強制肥育を弁護してきたが、残酷だとする批判は根強い。1998年の欧州連合(EU)の報告によると、強制肥育された鳥が死ぬ確率は、通常の方法で飼育された鳥の20倍に上るという。また動くことも翼を広げることもできないくらい狭いケージに、ガチョウやカモを押し込めていることについての批判も大きい。

 現在では、こうした飼育環境を改善するための対策が取られ始めている。フランスの農業・農産加工業・林業省はフォアグラ生産者に対し、3羽が少なくとも動き回ったり翼を広げたりできる大きさのケージを16年までに採用するよう求めている。