■「操縦室に入れろとドアを叩く音」

 機長は墜落直前には鍵をかけて操縦室内に閉じこもり、各種の警報音が鳴る中、副操縦士を閉め出していた。国営モザンビーク通信(AIM)によると、アブレウ氏は「(機長が)これらの操作をする間、緊急度が高い、あるいは緊急度が低い各種の警報音が鳴り、操縦室に入れろと繰り返しドアを叩く音が聞こえていたはずだ」と語った。機長がなぜこうした行動を取ったのか、IACMはさらに調査を進める方針だという。

 TM470便はモザンビークの首都マプト(Maputo)からアンゴラの首都ルアンダ(Luanda)に向かう途中、豪雨に見舞われる中でナミビアのブワブワータ国立公園(Bwabwata National Park)の湿地帯に墜落。飛行記録装置は墜落現場から回収され、米ワシントンD.C.(Washington D.C.)の米国家運輸安全委員会(National Transportation Safety BoardNTSB)で解析された。

 墜落機はブラジル製のエンブラエル190(Embraer 190)型機で、モザンビーク航空の機材の中で最も新しいものだった。

 この事故で乗員6人、乗客27人の合計33人が死亡したが、3週間経過した時点で身元が判明したのは7人にとどまっている。乗客の国籍はモザンビーク、アンゴラ、ポルトガル、ブラジル、フランス、中国だった。事故原因の調査にはボツワナ、アンゴラ、モザンビーク、ブラジル、中国、米国、ナミビアの専門家が参加している。(c)AFP/Johannes MYBURGH