【12月22日 AFP】タイの反政府派がデモの拡大に向けた準備を進める中、最大野党の民主党は21日、インラック・シナワット(Yingluck Shinawatra)首相が実施を表明した総選挙をボイコットすると発表した。危機的状況に陥った同国で、政府への圧力が一層、高まっている。

 タイの政党として最も長い歴史を持つ民主党のアピシット・ウェチャチワ(Abhisit Vejjajiva)党首によると、党員らの投票で総選挙に参加しないことを決めた。記者会見でアピシット党首は、「総選挙はこの国が抱える問題の解決や改革の推進、各政党に対する国民の信頼回復につながらないと党員たちは考えている」と述べた。

 一方、国内で続く緊張状態の解決を目指して来年2月2日の選挙実施を発表したインラック首相は、民主党の決定にかかわらず総選挙は行うとしている。

 しかし反政府派は、改革を実行するため、民主主義を一時的に停止させて選挙以外の方法で選んだ国民各層の代表から成る「人民議会」を暫定的に設置することを要求している。民主党の決定は反政府派を強く後押しするものだ。