【12月19日 AFP】宗教対立に起因する戦闘で多数の死者が出ている中央アフリカの情勢について、国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は19日、首都バンギ(Bangui)で2日間に約1000人が殺害されたとする報告書を発表した。これまで国連(UN)は、衝突の死者をバンギで約450人、国内その他地域で150人と推計していた。

 アムネスティが2週間かけて行った調査報告によると、バンギでは今月初め、キリスト教系の民兵組織「反バラカ(anti-balaka)」がイスラム教徒の住宅を1戸ずつ襲撃し、男性60人ほどを殺害した。

 これに対する報復として、イスラム教系の武装勢力連合「セレカ(Seleka)」の戦闘員が2日間で1000人近くを殺害し、民家を組織的に略奪したという。犠牲者には少数ながら、女性や子どもも含まれているという。

 キリスト教人口が過半数を占める中央アフリカでは今年3月、反政府勢力だったセレカがクーデターで実権を握り、フランソワ・ボジゼ(Francois Bozize)大統領は国外へ逃亡した。以降、国内では混乱が続いており、セレカによる暴力事件やレイプ、虐殺などに対抗するためキリスト教系の住民が自警団を結成したことから、宗教対立と民兵間の抗争が激化している。(c)AFP