■ブラジル防衛産業にも恩恵

 アモリン国防相は、性能に加えて全体的なコストの安さと、全面的な技術移転が受けられることを理由にグリペンを選んだと説明した。

 機体をブラジル国内で組み立て、自国の防衛産業振興につなげることがブラジル側の主な要求事項だった。アモリン国防相は次期戦闘機計画によってブラジル最大の航空機メーカーであるエンブラエル(Embraer)は大きな恩恵を得るだろう、と語った。

 アモリン国防相は、今後10~12か月かけてサーブと交渉して2014年末に契約を結び、最初の引き渡しはその4年後になるとの見通しを示した。

 ブラジル空軍幹部が購入を支持していた最新型の多目的戦闘機であるグリペンは、空対空戦闘、空対地攻撃、偵察など幅広い任務をこなす能力があり、英国、南アフリカ、チェコ、タイ、ハンガリーの空軍も導入している。ブラジルのニュースサイトG1は、今後30年間にわたってグリペンはブラジル空軍の要求に応えられるという空軍報道官の発言を伝えた。