■反乱は黙っていない

 こうした新たな勢力図の中で、依然ヤヌコビッチ大統領の与党・地域党の主要な後ろ盾であるドネツクの大富豪アフメトフ氏が、「ファミリー」の中では少数派の「従来のオリガルヒ」として「ファミリー」と連携する可能性があると政治評論家のベレゾベツ氏はいう。

「古い」オリガルヒたちは今のところ抗議の表明を抑えているが、衝突が長引けば素早く状況が変わる可能性がある。政治評論家のボロディミール・フェセンコ(Volodymyr Fesenko)氏は「オリガルヒたちは、公然とデモを支持することを急いではいない。それは最も力を持つオリガルヒにとっても危険だろう」と述べる。しかし経済評論家のオレクサンデル・ジョルウド(Olexander Zholud)氏は「『古いオリガルヒ』と(新しい)ヤヌコビッチ─クルチェンコ氏一派の対立が表面化する可能性は排除できない」という。ベレゾベツ氏はこう語る。「反乱は沈黙させられていないし、こうして問題が大きくなっている間にも、彼らの否定的な感情は表面化している」(c)AFP/Dmytro GORSHKOV