【12月13日 AFP】オーストラリアで、ガス会社の営業担当者が「ノックお断り」と書かれたドアの張り紙を無視して、その家で訪問販売をしようとしたため、ガス会社と営業担当者の雇用元企業が総額6万豪ドル(約550万円)の罰金を支払う羽目に陥った。

 2011年11月、飛び込みの家庭訪問販売を行っていた豪エネルギー会社、AGLサウスオーストラリア(AGL South Australia)の営業担当は「ノックお断り」の表示が張られていた家にも、これを無視して飛び込み営業を行った。


 これについて豪連邦裁判所は、AGLに3万5000豪ドル(約320万円)、営業担当者の派遣元のマーケティング企業CPMオーストラリア(CPM Australia)に2万5000豪ドル(約230万円)の罰金の支払いを命じた。

 裁判所は、罰金刑は「罰金対象の当該者および同業他社による今回のような訪問販売行為を抑止する必要の重要性を反映したものだ」と説明した。

 オーストラリアの公正競争監視当局も、「消費者宅の正面玄関に張られた表示には、ノックをするこぶしに線が引いてある絵とともに『ノックお断り』の文字があり、訪問販売を歓迎していないことは明らかだ。それにもかかわらず営業担当者は、この家のドアをノックして契約を取り付けようとした」との声明を発表した。

 豪競争・消費者委員会(Australian Competition and Consumer CommissionACCC、公正取引委員会に相当)によれば、訪問販売などで消費者契約に関連する法律に違反した場合の罰金は最高で5豪万ドル(約460万円)だという。(c)AFP