【12月12日 AFP】南アフリカで10日に行われたネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)元大統領の追悼式で、手話通訳を務めた男性が「でたらめ」の通訳をしていたと批判されている問題で、男性は持病の統合失調症の発作のせいだと弁明した。

 追悼式で手話通訳を務めたタムサンカ・ジャンティ(Thamsanqa Jantjie)さんは式終了後、南アフリカの聴覚障害者団体から手話は「ただ単に腕を動かしていただけ」で通訳ではなく全くの偽物だと批判された。

 批判をうけジャンティさんは12日、ヨハネスブルク(Johannesburg)の日刊紙「スター(The Star)」とのインタビューで、手話通訳中の異変は治療中の統合失調症の発作のためだと語った。ジャンティさんは突然、集中力を失い幻聴や幻覚に襲われ、「どうすることもできなかった。1人きりで非常に危険な状況だった」と述べた。

 ジャンティさんは、追悼式を視聴している世界の人々に異変を悟られないよう必死で自分をコントロールしようとしたと説明したうえで「申し訳なかった。当時の状況は、そういうことだった」と謝罪の言葉を述べた。

 だが、ジャンティさんの手話通訳は以前から疑問視されていた。南アの通訳協会によると、昨年の与党アフリカ民族会議(African National CongressANC)のある記念式典などを含め、ジャンティさんが行った手話通訳には複数の苦情が寄せられている。(c)AFP