【12月9日 AFP】(一部更新、写真追加)大規模な反政府デモに揺れるタイのインラック・シナワット(Yingluck Shinawatra)首相は9日、下院を解散して総選挙を実施すると発表した。一方、インラック首相の退陣を求める反政府派は同日、首都バンコク(Bangkok)でデモを再開。警察によると参加者は約14万人に上っているという。

 インラック首相の退陣を求める大規模デモは先週、プミポン・アドゥンヤデート(Bhumibol Adulyadej)国王の86歳の誕生日を迎えて一時休止していた。こうした中でインラック首相は9日、国民に向けてテレビ演説を行い「他の政党とも協議した結果、下院解散の承認を国王から得る手続きを開始した」と発表。「政府は犠牲者がでることを望んでいない」と述べ、「できるだけ早期に」解散・総選挙を実施すると表明した。

 しかし反政府デモを率いるステープ・トゥアックスバン(Suthep Thaugsuban)前副首相はAFPの取材に対し、下院の解散・総選挙だけでは不十分だと指摘。「抗議行動は続行する。われわれの目的はタクシン体制の根絶だ」と主張している。インラック首相の兄で、汚職で有罪となり現在国外に逃れているタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相はかつてインラック首相を「クローン」と表したことがあり、現タイ与党の事実上の指導者とみられている。(c)AFP