【12月9日 AFP】イランの保守系日刊紙ケイハン(Kayhan)は8日、南アフリカで開催される故ネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)元大統領の葬儀は、イランのハサン・ロウハニ(Hassan Rowhani)大統領がバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領と直接対面する可能性のある「罠」だと警告した。

 イランは、南アフリカで10日に開かれる追悼式典と、15日に開かれる葬儀への出席者をまだ発表していない。

 同紙は「悪魔が罠を仕掛けた。今回の舞台はヨハネスブルク(Johannesburg)だ」との見出しを付けた社説で、もしロウハニ大統領が式典に出席するならば、「大悪魔の首領」であるオバマ大統領と直に対面することになるかもしれないと警告。「国内外の報道機関の中には、『大悪魔の首領』と会談するようロウハニ大統領に圧力を掛ける口実として、追悼行事を利用している」と述べた。

 穏健派のロウハニ師は、今年の6月に行われた大統領選挙で、西側諸国との対話を掲げて保守派の候補者らを打ち破って当選。以来、イランと国際社会の間で緊張緩和の機運が生まれている。

 それを象徴する最も顕著な出来事が、ロウハニ大統領が9月に国連総会への出席ために米ニューヨーク(New York)を訪れた際に行われたオバマ大統領との15分間の電話会談だった。この会談は、30年以上前にイランの首都テヘラン(Tehran)で発生した米国大使館人質事件をめぐって両国が国交を断絶してから初めて、両国首脳が直接接触する機会となった。

 ケイハン紙の社説は、ロウハニ大統領が訪米した際にイランの最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師が出したコメントを想起させる。ハネメイ師は当時、「ニューヨークで起きたことの中には、不適切なものもあった」と述べていた。(c)AFP