【12月7日 AFP】北朝鮮当局は7日、10月から身柄を拘束していた米国人メリル・ニューマン(Merrill Newman)氏(85)を国外へ追放したと発表した。

 国営朝鮮中央通信(Korean Central News AgencyKCNA)は同日、ニューマン氏が良心の呵責(かしゃく)を示したことや年齢や健康状態を考慮し「人道的見地から」ニューマン氏を国外追放したと伝えた。

 米カリフォルニア(California)州在住で朝鮮戦争への従軍経験があるニューマン氏は10月、観光ツアーで北朝鮮に10日間滞在したが、同月26日、平壌(Pyongyang)を離れる直前に旅客機から降ろされ、「敵対行為」を理由に拘束された。

 米政府は解放の知らせを歓迎している。米国務省のマリー・ハーフ(Marie Harf)副報道官は「メリル・ニューマン氏が朝鮮民主主義人民共和国(Democratic People's Republic of Korea)を離れ、家族と再会することを許され、われわれは非常に喜んでいる。同氏の解放という北朝鮮の決定を歓迎する」と述べた。

 北朝鮮側はニューマン氏が、今回の旅行中と60年前の朝鮮戦争従軍中に罪を犯したとしていた。朝鮮戦争中については、ニューマン氏が情報収集活動や破壊工作、北朝鮮軍兵士や無実の民間人の殺害に関与したと主張していた。

 しかし、ニューマン氏の親族や友人らは、同氏が「誤解」に基づいて拘束されたと主張してきた。朝鮮戦争中、同氏とともに従軍していた韓国の退役軍人は、北朝鮮側がニューマン氏の罪をでっち上げたと話していた。(c)AFP