【12月4日 AFP】ハチにはこれまで知られてきたよりもずっと大きな経済価値があることを、イチゴの栽培に関する科学的調査によって示した報告が4日、発表された。

 ハチを介して受粉したイチゴは、風によって受粉したものや自家受粉したイチゴよりも商業価値がはるかに高く、実がより重くしっかりしていて、赤味が強く、鮮度が長持ちもすることが分かった。

 国連環境計画(UN Environment ProgrammeUNEP)の2011年の報告によると、ハチやその他の昆虫による受粉は、世界の食糧生産の総価値の9.5%、金額にして約2040億ドル(約21兆円)相当を担っている。しかし、この推計さえも低すぎると新たな研究は述べている。

 独ゲッティンゲン大学(University of Goettingen)作物学部のビヨルン・クラット(Bjoern Klatt)氏率いる研究チームは実験用の畑に、商業用のイチゴ9品種を植えた。各品種ともそれぞれ、風による受粉だけをさせるために特製のガーゼの袋で覆った苗と、自家受粉させる苗、ハチに受粉させる苗を用意した。収穫された実は、商品基準に従って等級分けした後に色、堅さ、鮮度の持ちや菌類への抵抗力などを調べる一連の試験にまわされた。

 その結果、7品種でハチを介して受粉したイチゴのほうが、他の受粉方法を経た実よりも色の赤味が濃かった。重さは風による受粉の実よりも11%、自家受粉の実よりも30.3%多かった。

 また、ハチを介して受粉したイチゴは、3つの受粉方法によるイチゴの中で最も実が堅く、これは鮮度が、風による受粉の実よりも12時間、自家受粉の実よりも26時間長く保てることを意味する。現在150万トンが流通する欧州のイチゴ市場で出荷されたうち9割は、わずか4日で売買できなくなっており、鮮度が長く保たれる価値は商業的に大きいと報告では述べられている。

 その他の利点と合わせ、ハチを介して受粉したイチゴは、29億ドル(約3000億円)規模の欧州イチゴ市場の約半分、14億4000万ドル(約1470億円)を占めているという。(c)AFP