【12月1日 AFP】ロシアの民間団体が30日、国際オリンピック委員会(International Olympic CommitteeIOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長に対して、ソチ冬季五輪の開幕前にロシアの反同性愛法を独自に調査するよう求めた。

 ロシアのLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)当事者や支援者からなるこの団体はAFPに声明を送り、「IOCは差別をしないことの重要性と、人間の尊厳を尊重することを支持する姿勢を明確に示していません。われわれはそのことに深い懸念を抱いています」と述べた。

 30日にパリ(Paris)でバッハ会長と面会した同団体はまた、ロシアの法律ではLGBT当事者に重要な人権が保証されていないことを、五輪運動に携わるすべての人間が知るべきだとしている。

 ソチ五輪の陣頭指揮を執るウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、来年2月7日から23日まで開催されるソチ五輪において、同性愛者への差別は起こらないと声明を通じて発表しているが、ロシアのLGBT団体は、これだけでは不十分として大統領の声明をはねつけている。

 またプーチン大統領は10月のバッハ会長との会談で、ソチ五輪は出自や性的指向を問わず、すべての選手と訪問者にとって「快適な」ものとなると約束している。

 バッハ会長は会談の後、反同性愛法に反対してソチ五輪をボイコットしようという動きを激しく批判した。(c)AFP