【11月29日 AFP】建設中に死亡事故が起きたにもかかわらず、ブラジル・サンパウロ(Sao Paulo)のスタジアム「アレーナ・デ・サンパウロ(Arena de Sao Paulo)」が予定通り2014年サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)の会場として使用されることが明らかとなった。関係者が28日、発表した。

 現在建設工事が進められているアレーナ・デ・サンパウロは同大会に使用される12のスタジアムのうちのひとつで、来年6月12日に行われるW杯の開幕戦の他、準決勝を含む全6試合の会場になる予定となっている。しかし建設現場で27日、クレーンが倒れ、それに押しつぶされた作業員2人が死亡するという事故が発生した。

 ブラジルサッカー連盟(Brazilian Football ConfederationCBF)と大会組織委員会(LOC)のホセ・マリア・マリン(Jose Maria Marin)会長は、「事故は起きてしまうものだ。人が亡くなってしまったことは遺憾に感じているが、W杯は間違いなく開幕すると確信している」とコメントした。

 また、LOCのリカルド・トラデ(Ricardo Trade)事業本部長は地元紙の取材に対し、アレーナ・デ・サンパウロが「W杯の開催会場リストから除外されることはない」とした。

 今回の事故は、国際サッカー連盟(Federation Internationale de Football AssociationFIFA)が設定した完成期日である12月31日までの竣工に間に合わせるべく急ピッチで工事が進められていた中発生した。

 建設作業は事故後休止されており、数日間の服喪期間を経て、12月2日に再開することとなっている。

 ブラジルのメディアが匿名の情報源から入手した情報によると、今回の事故の影響でアレーナ・デ・サンパウロの竣工は予定より1か月から2か月遅れる可能性があるという。現時点で同スタジアムの建設は94%完成している。(c)AFP