【11月28日 AFP】イタリア・セリエA、インテル(Inter Milan)のエリック・トヒル(Erick Thohir)会長は、一流選手の獲得に資金を使うのではなく、健全な財政基盤を取り戻すことを優先すると語った。イタリアのガゼッタ・デロ・スポルト(Gazzetta dello Sport)紙が27日に報じた。

 先月、前オーナーのマッシモ・モラッティ(Massimo Moratti)氏からクラブの株式の70%を取得したトヒル氏は、2週間前にイタリア屈指の強豪クラブの新会長に選出された。

 トヒル会長の投資により、現在同都市のライバル、ACミラン(AC Milan)と共用している本拠地サン・シーロ・スタジアム(San Siro stadium) から離れて専用スタジアムが新設されることをファンは願っている。

 また、インテルは昨シーズン、アンドレア・ストラマッチョーニ(Andrea Stramaccioni)前監督の下でリーグ9位と不本意な成績に終わっており、トヒル会長の資金力で大物選手が引き寄せられることにも期待が高まっている。

 しかし、インドネシア出身の実業家で43歳のトヒル会長は、ファンに冷静さを保つよう注意を促す。同氏はすでに米メジャーリーグサッカー(MLS)のD.C.ユナイテッド(D.C. United)と米プロバスケットボール協会(NBA)のフィラデルフィア・セブンティシクサーズ(Philadelphia 76ers)の共同オーナーを務めている。

 ガゼッタ・デロ・スポルト紙の取材に応じたトヒル氏は、「新たな選手を購入するのかという質問に対して、私の答えはいつも同じだ」と語った。

「クラブの判断は総意で決定する。それも予算を考慮した上でのこと。私の一方的な判断で決まることはない。そこが今までとの違いだ」

「私たちは戦力を獲得していくが、支出については注意を払っていく。最大の目標は財政再建であり、健全な財政基盤を持ったクラブを作り上げることだ。その点はモラッティ氏とも合意している」

 トヒル氏が興味を示している選手としてベルギー代表のラジャ・ナインゴラン(Radja Nainggolan)が繰り返し報じられている。ナインゴランはインドネシア人の父を持ち、現在はリーグ下位に沈むカリアリ(Cagliari Calcio)でプレーしている。(c)AFP