【11月26日 AFP】中国でスマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」を盗んだ犯人が、携帯電話内に登録されていた11ページに上る電話番号を書き出して、持ち主に郵送した。中国国営メディアが25日、報じた。

 新華社(Xinhua)通信によると、ゾウ・ビンさん(仮名)は、タクシーに相乗りした際、iPhoneを盗まれたとみられている。ゾウさんはiPhoneに約1000件の連絡先を登録していたが、世界中の大勢の人々と同じように、そのバックアップを取っておらず、iPhoneよりもその連絡帳を失うことに頭を抱えたという。

 そこでゾウさんは犯人に対してテキストメッセージを送り、「私の横に座った人物であることは分かっている。必ず見つけ出してやる」と犯人に伝えた。

「私の携帯電話の連絡先を見てみれば、私がどのような職業に就いているか分かるはずだ。分別のある人なら、携帯電話を送り返しなさい」とゾウさんは付け加えた。

 メッセージの語調は間違えようなく脅しだった。ゾウさんはパブ業界で働いているが、中国ではパブ業界はギャング団とつながりがあると広くみなされている。

■11ページに上る「手書きの連絡先リスト」届く

 数日後、ゾウさんはSIMカードと11ページに及ぶ丁寧に書かれた電話番号リストを郵送で受け取った。この結果にはゾウさんも驚いたという。

「名前だけでなく数字の列もあるのだから、1個目から1000個目まで書き写すのに相当な時間がかかっただろう。犯人の手は腫れていることだろう」とゾウさんは語った。

 中国のネットユーザーは、犯人に賛辞を送り、「(窃盗)業界の良心だ」と称えた。

 中国のマイクロブログサービス「新浪微博(Sina Weibo)」のあるユーザーは「プロとしての倫理感を持ったなんとも共感できる誠実な泥棒ではないか」と述べた。(c)AFP