【11月26日 AFP】米俳優のライアン・オニール(Ryan O'Neal)さんが、元恋人で女優の故ファラ・フォーセット(Farrah Fawcett)さんの死の直後、フォーセットさんの自宅からアンディ・ウォーホル(Andy Warhol)の作品を持ち去ったとされる訴訟の口頭弁論が25日、米ロサンゼルス(Los Angeles)の裁判所で開かれた。

 この作品は、フォーセットさんをモデルにした肖像画で推定価格は最高1200万ドル(約12億円)。原告の米テキサス大学(University of Texas)側は、オニールさんが自分に所有権がないことを知りながら作品を持ち出したと訴えているが、オニールさんの代理人は、オニールさんが同作品の正当な所有者だと主張している。

 フォーセットさんの母校のテキサス大学は2011年8月、リアリティー番組の放送でオニールさんの自宅にこの作品があることを知り、オニールさんを訴えていた。テキサス大側は、フォーセットさんがすべての美術品を同大学に遺贈したと述べており、美術館にある同作品とほぼ同一のウォーホルの作品の横に、この作品も展示されるべきだと主張している。

 フォーセットさんはテレビドラマ「地上最強の美女たち!/チャーリーズ・エンジェル(Charlie's Angels)」の主演の1人。2009年6月25日、ロサンゼルス市内のマンションでがんのため死去した。テキサス大学の代理人のデビッド・ベック(David Beck)氏は口頭弁論で、オニールさんがフォーセットさんの死の直後、フォーセットさんの自宅マンションから同作品を持ち出したと訴えた。

 ベック氏によると、オニールさんはフォーセットさんに「君の思い出の品が欲しい……あのウォーホルの作品をぼくにくれるのはどうかい」と質問したことがあるという。このことから、作品の所有権がフォーセットさんにあることをオニールさんが知っていたとベック氏は主張している。

 一方、オニールさんの代理人、マーティン・シンガー(Martin Singer)氏は、ウォーホルが2点ある作品のうち1枚をフォーセットさんに、もう1枚をオニールさんに寄贈したと主張している。

 シンガー氏によると、オニールさんはこの作品を1980年から98年まで所有していたが、フォーセットさんと恋人関係を一時的に解消した際、自宅にフォーセットさんの作品を飾っているところを他の女性に見られたくないと思い、この作品をフォーセットさんに渡したという。

 2001年にはオニールさんとフォーセットさんは関係を修復。その後、この作品は2人の自宅を行ったり来たりしていたが、フォーセットさんの病状が悪化する中、フォーセットさんの自宅に飾られるようになったという。

 口頭弁論は26日も開かれる。(c)AFP/Michael THURSTON