【11月25日 AFP】(一部更新、写真追加)タイの首都バンコク(Bangkok)で25日、インラック・シナワット(Yingluck Shinawatra)首相の退陣を求める数万人規模の抗議デモが行われ、デモ隊の一部が財務省の建物に突入し占拠した。デモ隊は他の官公庁ビルも占拠すると警告している。

 インラック首相と、汚職で有罪となり現在国外に逃れている兄のタクシン・シナワット(Thaksin Shinawatra)元首相に対する抗議デモは、死者90人以上を出した2010年の反政府デモ以来最大の規模にまで膨れ上がっている。

 警察の推計では3万人が参加。デモ隊は市内各地で省庁や軍・警察の拠点、テレビ局などへ向かって行進しており、一部は「タクシンは出ていけ。軍は介入せよ」とのシュプレヒコールを叫んでいる。タイでは立憲革命により立憲君主制が確立した1932年以降、軍が政変に介入する事態が18回にも及ぶ。

 バンコクでは、インラック政権がタクシン元首相の帰国に道を開く恩赦法案を提出したことから、ここ数週間にわたって野党主導の反タクシン派デモが続いている。24日には9万人以上がデモ行進。これに対しタクシン支持派の通称「赤シャツ隊(Red Shirts)」も同日夜にインラック首相の支持を訴える集会を開き、約5万人が参加するなど緊張が高まっている。(c)AFP/Thanaporn PROMYAMYAI