【11月25日 AFP】エジプトのアドリ・マンスール(Adly Mansour)暫定大統領は24日、国家の治安を脅かすとみなされる場合には抗議デモを禁止する権限を治安当局に与えるデモ規制法案に署名し、同法は成立した。

 大統領府報道官によると、新法ではデモ主催者に対し、デモを実施する3日前までにデモ会場の最寄りの警察署に「文書による届け出」を義務付けている。この届け出には、主催者の詳細やデモの目的、掲げるスローガンなどを明記しなければならないという。

 また、デモ参加中に覆面で顔を隠す、武器を携行するなどの行為を禁止し、違反者には最長5年の禁錮刑を科すと定めている。

 エジプト軍当局は、7月にイスラム組織出身のムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)前大統領を解任した判断について、約1年続いた政治の混乱に対するエジプト国民の大規模な抗議行動に応えたものだとして正当化している。

 エジプトの人権団体は法案について「全ての平和的な集会を犯罪行為とみなす」もので、抗議デモを強制的に解散させる「自由裁量権」を治安当局に与えるとして非難していた。(c)AFP