【11月24日 AFP】エジプトの暫定政府は23日、トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)首相がエジプトの現政権を批判したとしてトルコの駐エジプト大使を追放し、これを受けてトルコ政府もエジプトの駐トルコ大使を追放した。エジプトのムハンマド・モルシ(Mohamed Morsi)前大統領が政権の座を追われた7月以降、両国の関係は悪化している。

 今回の対立の発端となったのは、エルドアン首相の21日の発言。エルドアン首相は、ムハンマド・モルシ前大統領を退陣に追いやった「クーデター」およびモルシ前大統領の支持者への弾圧が今も続いていることを改めて批判した。

 トルコ政府は当初、両国の意見の相違が是正されることに期待を示していたが、エルドアン首相はその後、「クーデターによって政権の座についた者には決して敬意を表さない」と発言した。

 これを受けてエジプトは、トルコのHuseyin Avni Botsali駐エジプト大使を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましくない人物)」として追放。両国間の関係を公使レベルに格下げし、議会はトルコに大使を派遣しない案を採択した。

 エジプト外務省は、モルシ前大統領の出身母体であるムスリム同胞団(Muslim Brotherhood)の抗議行動を挙げて、「エジプトを不安定にしようとしている組織を支持している」としてトルコを非難し、「エジプトの利益を損なうために国際社会に影響を与えようとしている」と述べた。

 これを受けてトルコ側も、エジプトのAbderahman Salah El-Din在トルコ大使を追放し、「国際関係の基本を成す互恵主義に即して」エジプトとの関係を格下げした。(c)AFP/Jay Deshmukh