【11月20日 AFP】香港(Hong Kong)で初めてとなる茶の競売会が23日に開かれ、半世紀以上も前に生産された希少な中国茶葉などが出品される。中でも最も注目を集めているのが、100万香港ドル(約1300万円)での落札が見込まれている貴重な水仙ウーロン茶葉だ。競売主催者が19日、語った。

 競売には、中国や香港、台湾の個人収集家が所有する年代物の中国茶葉40ロット以上が出品される。最も古いものは、1950年代に生産された茶葉だ。総落札額は300万香港ドル(約3900万円)以上と予想されている。

 目玉の水仙ウーロン茶は、中国茶の産地として名高い武夷(Wuyi)地方から1960年代に初めてシンガポールに輸出されたもの。今回競売にかけられる20キロ入り1箱は、この茶葉を買い取ったマレーシアの商人が味のとりことなって自分用に取っておいた3箱のうちの1箱だ。

 このほか、1950年代に雲南(Yunnan)で生産されたプーアル茶葉も1箱40万香港ドル(約520万円)の値がつくと見込まれている。

 競売に先立ち開かれた内覧会の初日にAFPの取材に応じた競売主催者の茶専門家ビンセント・チュ(Vincent Chu)さんは、中国茶愛好家にとってはそれだけの価値が十分にある茶葉だと話す。「いまだに新鮮な後味が口の中に広がる。これは驚くべきことだ。半世紀前に摘まれた新鮮さを体験できるのだから」。古い茶葉は数十年におよぶ酸化を経て、滑らかな味わいになるのだという。

 競売では茶葉のほかに茶具145点が出品され、これらを合わせた落札額は1000万香港ドル(約1億3000万円)に上るとみられる。(c)AFP