【11月20日 AFP】ベルギーの首都ブリュッセル(Brussels)で、69歳の女性がミイラ化した夫の遺体と1年も暮らしていたことが分かった。地元紙が19日、報じた。

 ベルギー仏語紙ラ・デルニエール・ウール(La Derniere Heure)は、痩せ細り、ショールでくるまれた男性の遺体写真を掲載。同紙によれば、遺体はブリュッセル市内の貧困地区アンデルレクト(Anderlecht)に妻とともに12年ほど暮らしていた73 歳男性のもので、1年ほど前に自然死したとみられる。

 2012年11月以降、家賃の滞納が続いていたため家主が立ち退き手続きを始め、妻が遺体と暮らしていた事実が分かった。長く白い口ひげのある遺体の目は落ちくぼみ、あばら骨が浮き上がり、全身の皮膚は干からびて薄くなっていた。

 家主は、奇抜な事件や驚異的なニュースを伝えることで知られるデルニエール・ウール紙に対し、「これまでにも死体を見たことはあるが、こんな状態のものは初めてだ」と語った。妻は夫の遺体に寄り添うように寝ていたという。

 近隣住民も同紙に、問題の部屋からは異臭がしていて、妻は最近、ごみを室内にためこんでいたと語った。近隣住民に対し妻は、夫は遠方で治療を受けていて不在だと話していたという。ブリュッセルの検察当局は、事実関係を調べる方針。(c)AFP