【11月20日 AFP】経口避妊薬を3年以上にわたって使用したことのある女性では、失明に最も多い原因とされている緑内障にかかるリスクが2倍になるとの研究結果が18日、米国眼科学会(American Academy of Ophthalmology)の年次会合で発表された。

 研究は米国で40歳以上の女性3406人を対象とした聞き取り調査に基づいたもので、経口避妊薬を3年以上にわたって使用していたことがあると答えた女性では、経口避妊薬を使ったことがない女性に比べて、緑内障の診断を受けたという申告が2.05倍多かった。使用した経口避妊薬の種類による違いはなかったという。

 論文の主著者であるカリフォルニア大学サンフランシスコ校(University of California, San FranciscoUCSF)のシャン・リン臨床眼科学教授は、結果は将来の研究を促すものとなったと述べつつ「現時点では、経口避妊薬を3年以上服用したことのある女性は緑内障の検査を受け、眼科にしっかりと経過を観察してもらうようにしてほしい。他に既存のリスク要因がある場合は、特にそうすべきだ」とした。

 今回の研究では、経口避妊薬と緑内障の因果関係を確かめることは行っていないが、過去の研究では女性ホルモンのエストロゲンが、緑内障の発症に重要な役割を果たしている可能性が示されている。(c)AFP