【11月19日 AFP】カナダのトロント(Toronto)市議会は18日、喫煙タイプのコカイン「クラック」の吸引や暴飲行為を認めたロブ・フォード(Rob Ford)市長への追加制裁として、市長の権限の大半を剥奪(はくだつ)する議案を採択した。

 これによりフォード氏は予算と人員を削減され、名ばかりの市長になるが、同氏はこれに抵抗する構えを見せている。

 採決に先立って行われた市議会の討論は、茶番劇さながらの様相を呈した。フォード市長はやじを飛ばす議員らを「ちんぴら(punks)」とののしり、議会内を突進した際には誤って女性議員を突き飛ばす場面もあった。

 トロント市議会は先週、フォード市長の職権を一部制限する議案を採択していたが、副市長によると、市議会は18日に「トロント市民の信頼を回復するために」さらに踏み込んだ措置を取った。

 フォード市長はこれまでに、乱れた私生活と公共の場所での下品な振る舞いについて謝罪している一方で、市長職にとどまるために法廷と選挙の両方で争う姿勢を見せている。また米メディアに対しては、カナダ首相に立候補する意欲も語っている。(c)AFP