【11月18日 AFP】女性解放問題と反植民地主義をテーマにした力強い小説でノーベル文学賞を受賞した英女性作家、ドリス・レッシング(Doris Lessing)さんが17日、ロンドン(London)の自宅で死去した。94歳。代理人が発表した。

 英国を代表する現代作家の一人であるレッシングさんは、1950年の「草は歌っている(The Grass Is Singing)」でデビュー。フェミニズムの記念碑的作品と評される1962年の小説「黄金のノート(The Golden Notebook)」で最も良く知られ、2007年、88歳の誕生日を目前に、ノーベル文学賞の最年長の受賞者となった。

 政治評論からSFまで網羅する50作品以上を著したレッシングさんの作品は、アフリカでの孤独な子ども時代と、先進的な左翼政治運動への関与という自身の経験に根ざすものが多い。

 1919年に現イランに生まれ、現ジンバブエの南ローデシアで英国人の両親に育てられる。2人目の夫から逃れた後、1949年に英国に移住、英国共産党に入党するが、ハンガリー動乱がソビエト軍により鎮圧された1956年に離党している。(c)AFP/Katy Lee