【11月17日 AFP】フィリピン中部を襲った台風30号(アジア名:ハイエン、Haiyan)によって孤立した被災地では16日、食糧や医薬品などの救援物資が届き始めた。しかし、人道支援団体らは、離島に点在する数百か所の被災地に物資を届けるのは非常に困難だと話している。

 台風30号の通過から8日たち、援助流入経路ができたレイテ(Leyte)州の州都タクロバン(Tacloban)では、被災者に救援物資が届けられた。

 台風30号が最初に襲ったサマール(Samar)島東部沿岸にある人口約1万2000人の町、ギポルロス(Giporlos)では、14日にフィリピンに到着した米軍の原子力空母ジョージ・ワシントン(USS George Washington)から飛び立ったヘリコプターが、初めて倒壊した小学校の校庭に着陸し、救援物資を届けた。住民の1人は、「十分な量ではないけれど、とてもうれしい。ほんの少しでも生き延びられる。ここには食べ物も家もありませんから」と話した。米軍はこれまで、タクロバンなどの被災地に約118トンの食糧や水、テントを届け、2900人近い被災者を安全な場所に空輸した。

 赤十字(Red Cross)と緊急医療援助団体「国境なき医師団(Medecins Sans FrontieresMSF)」は、今週末までにタクロバンで移動手術ユニットを稼働させると発表。また日本は、艦艇3隻、固定翼機10機、ヘリコプター6機とともに自衛隊員1200人近くを派遣すると発表。自衛隊の国際緊急援助活動としては最大規模となる。(c)AFP/Cecil Morella