【11月16日 AFP】米サンフランシスコ(San Francisco)は15日、米人気コミック「バットマン(Batman)」などに登場する架空の都市「ゴッサムシティ(Gotham City)」に姿を変え、白血病の5歳の少年が1日だけのスーパーヒーローとして大活躍した。

「バットマン」ならぬ「バットキッド(Batkid)」として現れたマイルズ・スコット(Miles Scott)君(5)は、生後1年6か月で白血病と診断された。病気と闘う子供たちの夢をかなえる活動をしているボランティア団体「メイク・ア・ウィッシュ(Make A Wish Foundation)」が、ヒーローになりたいというマイルズ君の夢を実現させた。

 マイルズ君は窮地に陥った若い女性を救い出し、悪人リドラー(Riddler)を捕まえようと「バットモービル(Batmobile)」に乗って登場すると、集まった人たちは声援を送った。マイルズ君は、署長の命を受けたサンフランシスコ市警の警官たちに助けられて、宿敵ペンギン(Penguin)に捕らわれていた米大リーグ(MLB)サンフランシスコ・ジャイアンツ(San Francisco Giants)のマスコット、ルー・シール(Lou Seal)も救い出した。

 首都ワシントン(Washington D.C.)からはバラク・オバマ(Barack Obama)大統領が動画サービス「Vine(バイン)」を通じてマイルズ君にメッセージを送り、「いいぞ、マイルズ!ゴッサムシティを救ってくれ!」と呼び掛けた。サンフランシスコ・ジャイアンツやアメフトのサンフランシスコ・フォーティナイナーズ(San Francisco 49ers)の選手たちも応援のメッセージを送った。マイルズ君の活躍はCNNなどメディア各社が生中継で報じ、国内外に伝えられた。

 メイク・ア・ウィッシュのパトリシア・ウィルソン(Patricia Wilson)さんは、「これほど情報が急速に広がり、世界中から支援が寄せられたのは初めてです」と語った。現在、マイルズ君の病状は落ち着いているという。(c)AFP