【11月13日 AFP】2014年サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)の大会組織委員は、リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)から北西2000キロにあるクイアバ(Cuiaba)のスタジアム、パンタナール・アレーナ(Pantanal Arena)も、他の11会場と同じように来年6月の大会開幕に向けて準備は整うだろうと語った。

 しかし、開幕まで約6か月、さらに国際サッカー連盟(Federation Internationale de Football AssociationFIFA)が定めた会場の完成期限が12月31日に迫っている中、パンタナール・アレーナにはピッチすらなく、椅子も設置されていない。

 さらにホテルのベッド数は不足しており、地元の交通網の改善は予定されているもののいまだに目に見える形になっていない。空港は整備の真っ最中で、そこにつながる道路は路面電車路の敷設のため渋滞している。

 クイアバのあるマトグロッソ(Mato Grosso)州でW杯関連事業を統括する責任者は、「われわれは56個の事業を抱えており、それぞれ何度か遅延を起こしている。しかし、予定通りに完成する見込みだ」とコメントしている。

 しかし、住民への聞き取り調査では街の「変身」が完了するかどうかに懐疑的な意見が多い。

 さらに、W杯関連事業の進展状況を監視する委員会の顧問は、「計画性が欠如している。全てにおいて費用がかさみ、時間と闘っている」という。

 W杯で4試合が予定されている総工費2億3500万ドル(約234億円)のパンタナール・アレーナのピッチが敷かれているべき場所は、現在大量の砂で覆われており、真昼の気温が40度近くまで上昇することも相まって、手つかずのサッカーのピッチというより、砂漠を思い起こさせる状況となっている。

 スタジアムは形こそそこにできあがっているものの、最後の仕上げ作業に苦しんでいる。

 12日現在、スタジアムの完成度は87%となっている。(c)AFP