【11月12日 AFP】地球軌道上を周回中のインドの火星探査機は12日未明、軌道の高度上昇に成功した。インド宇宙研究機関(Indian Space Research OrganisationISRO)が発表した。これに先だって探査機は一時、エンジントラブルに見舞われていた。

 5日にロケットを打ち上げ、火星への11か月の旅に出発したインドのマーズ・オービター(Mars Orbiter)ミッションは、惑星間飛行の方法として異例の「スリングショット」手法を採用している。

 地球の重力から直接離脱できるほどの大型ロケットを持たないため、インドの宇宙船は11月末まで地球の周回軌道上を周回して、地球から離脱できるだけの速度を獲得する計画だ。

 12日、宇宙船は4回目の高度上昇を終え、地表から10万キロの高さに到達した。4回目の高度上昇は11日に当初実施されたが、ロケットエンジンがトラブルを起こし、機体が自動操縦に移行していた。

 ISROによれば、11日のトラブルはミッション全体を妨げるものにはならないという。

 インドの火星ミッションは極めて低予算。米航空宇宙局(NASA)が今月開始する火星探査ミッションは4億5500万ドル(約450億円)の予算を付けているが、インドのミッションは、その6分の1以下の45億ルピー(約70億円)で実施されている。(c)AFP