【11月12日 AFP】女子フィギュアスケートの浅田真央(Mao Asada)がインタビューに応え、2014年ソチ冬季五輪に向けた心構えについて語った。

 2010年バンクーバー冬季五輪で銀メダルに終わった浅田はソチ五輪に向けた準備はできていると話す。ソチで浅田は、バンクーバーの金メダリストである宿敵、金妍児(Yu-Na Kim、キム・ヨナ、韓国)と金メダルをめぐって対決することとなる。

 浅田は9日、NHK杯(NHK Trophy 2013)で優勝を飾り、今季2度目のグランプリ(GP)制覇を達成した。

「バンクーバーが終わってから、修正を繰り返して、ジャンプも一から直してきた」という浅田は、結果的に自信をつけることができたという。

「バンクーバーが終わってから3年間の積み重ねとういうのが、ようやく今生きてきているのじゃないかと思っている」

 10月に開催されたGP初戦、スケート・アメリカ(Skate America 2013)でも優勝している23歳の浅田は、NHK杯ではフリースケーティング(FS)と合計得点で自己ベストをマークした。

「スケート・アメリカよりも階段を上っていると思うので、さらにレベルアップしたプログラムをお見せできるように頑張りたい」

 しかし浅田はスケート・アメリカでもNHK杯でも、自身のトレードマークであるトリプルアクセルに失敗している。トリプルアクセルは得点も高いが難易度も高く、浅田のライバルの中でそれに挑戦する選手は少ない。

 スケート・アメリカのFSではトリプルアクセルに挑んでいる途中に転倒した。NHK杯のショートプログラム(SP)では両足着地し、FSでは回転不足となった。

 先月行われた地域対抗戦のジャパンオープン(Japan Open 2013)では回転半を綺麗に成功させ、ステップやスピンでは優れたパフォーマンスを見せたが、一方で3回転3回転のコンビネーションには手こずっていた。

 しかし熟練の浅田は、最近は小さな失敗についてあまり思い悩まなくなったいう。

「不安はない。不安をなくすために練習をしてきている。ジャンプもだいぶ固まっているので、上を目指していけるのじゃないか」

 バンクーバー五輪では、女子として史上初めてSPとFS合わせて3度のトリプルアクセルを決めたことが銀メダルに繋がったが、浅田は「最近は三回転アクセルを(FSで)二回出来るんじゃないかと思っている」と語り、ソチでも再び同じことに挑戦することを示唆した。

 一方、浅田が3位に終わった3月の世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships 2013)で優勝した金妍児は、足のけがを理由にGPシリーズには参戦していないが、12月5日から8日にかけてクロアチアのザグレブ(Zagreb)で行われる国際大会、ゴールデンスピン(Golden Spin)での復帰に向けて現在調整している。

 ソチ五輪を来年に控え、浅田は「バンクーバーのように大きな最高の舞台で、また沢山の注目が集まる中で(金妍児と)一緒に試合に出るということは自分にとっても本当にいい刺激になると思う」と語る。

「お互いに力を出し合えばいいなと思っている」

 金妍児がバンクーバー五輪で叩き出したFSの150.06点、合計の228.56点は歴代最高得点だが、一方の浅田の自己ベストは9日のNHK杯で記録したFS136.33点、合計207.59点となっている。

 金妍児はスケート・アメリカの開催後、浅田の結果について「私は審判ではないので、彼女(浅田)のパフォーマンスを評価する立場にない」と話した。

「五輪を控えて、真央だけでなく他の選手もトレーニングを頑張っているようだ」

(c)AFP/Shigemi Sato