【11月9日 AFP】ロシア・モスクワ(Moscow)の地下鉄の駅で8日、汗をかき、息を切らしながらスクワットをする乗客の姿が見られた。この日設置された発券機の前で2分間に30回スクワットをすることができれば、無料の乗車券を手にすることができる。

 この発券機は、ソチ五輪組織委員会のキャンペーンの一環として、大型コンベンションセンターに近いモスクワ西部の駅に設置された。モスクワ市内の広範囲に広がる地下鉄の路線は、ヨシフ・スターリン(Joseph Stalin)時代の壮麗な駅舎で知られ、通常、1回乗車券は30ルーブル(約91円)だ。

 集まった報道陣や見物する人たちがスクワットの回数を数える中、発券機の前に描かれた円の中で、腕を前に伸ばしてバランスを取りながら、苦しそうにスクワットをする人たちもいた。早速挑戦した若い女性は発券機から乗車券を取り、「最初はつらかったけれど、何とかやり遂げた。でも、2分以上は無理」 と話した。

 立ち会ったソチ五輪組織委員会の関係者は、「通勤客に五輪の価値を感じてほしい」と話し、利用開始前には五輪女子体操の金メダリスト、エレーナ・ザモロドチコワ(Yelena Zamolodchikova)さんが見事なパフォーマンスを披露した。

 組織委はロシア国民に、来年2月のソチ冬季五輪を「ソファの上で丸くなって見る」だけでなく、より健康になってもらおうと、「日常生活にスポーツの要素を取り入れる」アイデアを公募。スクワット券売機以外にバスのつり革をエクササイズバンドに変更するプロジェクトや、携帯電話を充電できるエアロバイクを設置するプロジェクトがある。(c)AFP