【11月7日 AFP】13-14フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦、NHK杯(NHK Trophy 2013)の開幕を控え、女子シングルに出場する浅田真央(Mao Asada)は、ライバルである金妍児(Yu-Na Kim、キム・ヨナ、韓国)が不在の中、ソチ冬季五輪に向けたプログラムの完成度を高めることを目指し、母国での大会に臨む。

 2010年バンクーバー冬季五輪銀メダリストの浅田にとって8日に東京で開幕するNHK杯は、同五輪覇者の金妍児とのソチ五輪での直接対決を前に滑りを磨く絶好の機会となる。

 女子シングルで女王の座に君臨する23歳の金妍児は、これまでのところ足のけがを理由にGPシリーズの出場を控えている。

 GPシリーズでは、世界のトップスケーターが6大会の中から割り当てられた2大会に出場し、各種目の合計成績上位6選手および6ペアが、12月5日から8日にかけて福岡で行われるGPファイナルの出場資格を得る。

 2008年と2010年に世界選手権を制している浅田は、今季GPシリーズ開幕戦のスケート・アメリカ(Skate America 2013)で米国のアシュリー・ワグナー(Ashley Wagner)、14歳のジュニアチャンピオン、エレーナ・ラディオノワ(Elena Radionova、ロシア)を抑えて優勝を飾った。

 ショートプログラム(SP)で首位に立った浅田は、フリースケーティング(FS)では冒頭のトリプルアクセルで転倒し、コンビネーションジャンプでは難度を下げた。それでも浅田は合計5度の3回転ジャンプできれいに着氷し、その合間にはハイレベルなスピンとステップも披露した。

 その結果、浅田は合計204.55点を記録して自己ベストに迫るとともに、2位のワグナーに10.74点の差をつけて自身12度目のGP優勝を手にした。

 大会後、「演技の内容には満足していない」と語った23歳の浅田は、女子では唯一、難度の高いトリプルアクセルを普段から大会用のプログラムに組み入れており、このところはその成功率も高まっている。

 浅田は「ここで得た課題を生かしてNHK杯ではもっと上を目指したい。私にとって五輪はもう始まっている」とコメントしている。

 NHK杯にはラディオノワ、GPシリーズ第2戦のスケート・カナダ(2013 Skate Canada International)で2位に入った鈴木明子(Akiko Suzuki)、同大会3位のグレイシー・ゴールド(Gracie Gold、米国)らが出場するが、浅田が絶対の優勝候補であることは間違いない。

 一方男子シングルでは、高橋大輔(Daisuke Takahashi)がジャンプに関して問題を抱えている。

 スケート・アメリカのSPで27歳の高橋は、以前成功したことのある4回転ジャンプで転倒し、トリプルアクセルも失敗したが、スケート技術や芸術点を評価するプログラムコンポーネンツ(構成点)でトップスコアを残し、大会を4位で終えた。

 また、欧州王者で世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships 2013)で3位に入ったスペインのハビエル・フェルナンデス(Javier Fernandez)がGPシリーズの初戦に臨む。

 米国勢では、全米選手権(2013 Prudential U.S. Figure Skating Championships)王者のマックス・アーロン(Max Aaron)、同大会前王者のジェレミー・アボット(Jeremy Abbott)、そしてスケート・アメリカ準優勝のアダム・リッポン(Adam Rippon)が出場する。(c)AFP/Shigemi SATO