【11月7日 AFP】国連(UN)の世界気象機関(World Meteorological OrganizationWMO)は6日、地球の大気中の温室効果ガス濃度が2012年に過去最高を更新したと発表した。温室効果ガスはかつてない速さで増加を続けており、気候変動を促進しているという。

 世界気象機関が発表した年次報告によると、二酸化炭素(CO2)、メタンガス、亜酸化窒素の濃度はいずれも2012年に過去最高を更新した。地球温暖化の主原因であるCO2の大気中濃度は、2012年に393.1ppmを記録。これは産業革命前の1750年の水準の141%に当たる。

 同報告書が発表された前日の5日には、国連環境計画(United Nations Environment ProgrammeUNEP)が、地球の気温上昇を産業革命以前の水準から2度未満に抑える目標の達成可能性は急速に低下していると警告する報告書を発表していた。また来週11日には、ポーランドの首都ワルシャワ(Warsaw)で、気候に関する国連会議が開催される予定だ。

 専門家たちは、温室効果ガス排出抑制に向けさらなる手立てを講じなければ、世界は大規模な嵐、種の絶滅、水不足、農作物の不作、氷河や極氷の融解による海面上昇と陸地消失、病気のまん延などがより頻繁に起こる、壊滅的状況に直面する可能性があると警告している。(c)AFP/Jonathan FOWLER