【11月4日 AFP】アフリカ・マリ北東部でフランス人ジャーナリスト2人が殺害された事件で、ローラン・ファビウス(Laurent Fabius)外相は3日、「テロリスト集団」の犯行だとの見方を示した。

 フランスのラジオ局RFI所属のジャーナリスト、ギスレーヌ・デュポン(Ghislaine Dupont)さん(57)とクロード・ベルロン(Claude Verlon)さん(55)は2日、取材のため訪れていたマリ北東部キダル(Kidal)で拉致され、その後、遺体で発見された。

 仏パリ(Paris)で3日早朝、フランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領が招集した緊急閣議を終えたファビウス外相は記者団に対し、記者2人の遺体からはそれぞれ銃弾が2発と3発摘出されたと説明。「殺害犯は、われわれ(フランス)が戦っている相手だ。民主主義と選挙に反対するテロリスト集団だ」と述べ、2人は「おぞましい方法で処刑された」と語った。

 デュポンさんとベルロンさんは共にアフリカでの取材経験が豊富なベテラン記者で、中でもデュポンさんは27年間にわたってRFIでアフリカ取材に携わってきた。RFIによると事件当日は、トゥアレグ(Tuareg)人反政府勢力「アザワド解放民族運動(National Movement for the Liberation of AzawadMNLA)」の報道官にインタビューするためキダルを訪れていた。取材後、この報道官の自宅を出たところで拉致されたという。

 RFIは取材を受けたMNLA報道官の話として、自宅外から物音が聞こえたため見ると、ターバンを巻きトゥアレグ人の言語タマシェク語(Tamashek)を話す男たちが、記者2人を四輪駆動車に押し込んでいたという。

 2人の遺体は3日、マリの首都バマコ(Bamako)に到着した。4日にもフランスに搬送され、解剖に付される予定だ。(c)AFP/Sabine WIBAUX