【11月2日 AFP】仏当局は1日、国内の10人が狂犬病で死んだ子猫と接触していたことが分かったと発表した。狂犬病は発症すると人間も死に至る病気。

 先月25日、パリ(Paris)から北西に15キロほど離れたアルジャントゥーユ(Argenteuil)の通りで、住民が生後約2か月の子猫を拾ったが、子猫はその3日後に死んだ。地元当局者によると、子猫はかみついたり引っかいたりするなど、飼い主に対して攻撃的な行動を取っていたという。

 飼い主が獣医に連絡し、獣医の判断で検査したところ、子猫は狂犬病にかかっていたことが確認された。フランスは2001年、国内の狂犬病は根絶したと正式に発表していた。検出されたウイルスの株は、モロッコ由来のものだとみられている。

 仏農業省と社会問題・保健省が共同で発表した声明によると、子猫との接触が確認された5人にはすでに発症予防措置が取られた。1日になってさらに5人が子猫に接触していたことが分かり、近く同様の発症予防措置が取られる予定だ。感染拡大を防ぐための広報チームが立ち上げられたほか、特定された10人以外に子猫に接触した人がいないか調べる疫学調査も始まった。

 当局は現在、子猫がアルジャントゥーユにやって来た経緯についても調べている。これまでのところ、死んだ子猫以外に狂犬病の症状を示した動物は報告されていない。(c)AFP