【11月1日 AFP】工場から漏れるにおいで周辺住民の生活に支障をきたしているとして、米カリフォルニア(California)州アーウィンデール(Irwindale)市当局が世界的に有名なシラチャ(Sriracha)チリソースの国内製造最大手「フイフォン・フード(Huy Fong Food)」を相手取り、脱臭設備を増強するまで工場の操業中止を求めていた裁判で、ロサンゼルス郡上位裁判所(Los Angeles Superior Court、一審)は31日、当面の操業を認める判断を下した。

 近隣住民らは目や喉の痛みを訴えており、強烈で不快なにおいのため屋外での活動を屋内で行ったり、においから逃れるため別の場所に一時的に避難したりする人もいるという。フイフォン・フードのオーナー、デービッド・トラン(David Tran)氏は、設置してある空気フィルターはすでに可能な限りにおい漏れを防いでいると主張。また、訴えを起こした人の中には実際には工場付近に住んでいない人もいると主張していた。

 米紙ロサンゼルス・タイムズ(Los Angeles Times)によると、原料のトウガラシは風味を損なわないようにするため、収穫した日のうちにすりつぶす。来年販売するソースに使うトウガラシは1 年のうち3か月間に集中して加工し、今がちょうどその最盛期にあたるため、操業中止が命じられれば来年の製品供給に影響が出る恐れもあった。シラチャソースの「シラチャ」は、世界で初めてこのソースが作られたタイの町シーラーチャー(Si Racha)に由来している。(c)AFP