【11月2日 AFP】インド・グジャラート(Gujarat)州の最大都市アーメダバード(Ahmedabad)から約170キロ離れたケバディア(Kevadia)で、完成すれば世界最大となる高さ182メートルの像の建造が始まり、10月31日に起工式が行われた。

 インド独立後、初代内相に就任したサルダル・パテル(Sardar Patel)氏を記念するこの像が計画通り4年後に完成した暁には、ニューヨークにある「自由の女神(Statue of Liberty)」の2倍、ブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)にある「コルコバードのキリスト像(Cristo Redentor)」の4倍という巨大な像が、ナルマダ(Narmada)川に浮かぶ島にそびえ立つことになる。関係者たちは「世界七不思議」の仲間入りをも狙っているという。

 だが、同国の最大野党、インド人民党(Bharatiya Janata PartyBJP)の有力指導者であるナレンドラ・モディ(Narendra Modi)同州政府首相の肝煎りで始まったこのプロジェクトの完成のために、インド全土の農家は、溶かしてこの像の素材とする金属製の農具を供出するよう要請されることになった。

 起工式に出席したモディ氏は、「観光客たちはタージ・マハル(Taj Mahal)を見物しに訪れたり、自由の女神やエッフェル塔(Eiffel Tower)を見たりするために米国やフランスへ向かう。この像ができれば、世界中の人々がここにもやって来るだろう」と述べ、「インドの鉄人」と呼ばれたパテル氏の像の完成のため「インド全ての村に住む農家の皆さんに、200グラムでも400グラムでも、使い古した農具の金属をくださるようお願いしたい」と語った。関係者によれば、金属くずの回収キャンペーンは10月31日から来年の1月26日まで、インド各地の70万か所近い農村で行われる。

 この像の建造費は総額総額250億ルピー(約400億円)とされ、財源は公的資金と寄付でまかなわれる予定。完成すれば、現時点で世界最大の像とされる中国・河南(Henan)省の 魯山大仏(Spring Temple Buddha)を54メートル上回ることになる。(c)AFP/Rajesh Joshi