【10月29日 AFP】ギリシャにある少数民族ロマの居住キャンプで血縁関係のない夫婦と暮らしているところを発見され、DNA鑑定でブルガリアのロマの夫婦の実子であることが明らかになったマリアちゃんについて、ブルガリアの医師らは26日、マリアちゃんやきょうだいたちが白人のように金髪で瞳が青いことは、アルビノ(先天性色素欠乏症)として説明できると語った。

 ソフィア大学(Sofia University)の遺伝医学教授、ドラガ・トンチェバ(Draga Toncheva)氏はAFPの取材に対し、「先天性色素欠乏症は遺伝性の疾患で、肌や目、頭髪の色素欠乏が特徴。テレビで見た限り、あの子どもたちはこの珍しい疾患の症状を呈している」と述べた。

 トンチェバ氏によると、先天性色素欠乏症の人の肌は通常、繊細で日に焼けやすい。目の色は赤、または非常に薄い水色で、髪の毛やまつ毛、眉毛は薄い金色をしている。症状として乱視が現れることもある。

 ギリシャ当局は、一緒に暮らしていたロマ人夫婦とマリアちゃんの「白人のような」外見的特徴とが異なっていたことから、誘拐事件の可能性を疑ってマリアちゃんを保護した。しかし国際捜査で実の両親を捜した結果、マリアちゃんがブルガリアにいる別のロマ人の子どもだったことが分かり、ロマ人に対する人種的偏見に警鐘を鳴らすこととなった。

 マリアちゃんの実の両親は、ともに肌の色は褐色で目や髪の毛は茶色がかった黒色をしている。(c)AFP