【10月29日 AFP】欧州北部を28日に直撃した激しい暴風雨により、英国など5か国で少なくとも11人が死亡し、各地の交通機関にも大きな乱れが出た。

 豪雨と強風により、英国で4人、ドイツで3人、オランダで2人、フランスとデンマークで各1人が命を落とした。また27日にイングランド(England)南部の浜辺で遊んでいて行方不明になった少年(14)の捜索は、海上の悪天候のため打ち切りを余儀なくされた。

■大規模な停電、交通機関への影響も

 業界団体によると、英国で46万世帯、フランス北部で7万5000世帯が停電したという。このうち数千世帯では後に復旧が確認された。また、英南東部のダンジェネスB(Dungeness B)原子力発電所でも停電、2基ある原子炉の両方が自動停止し、最低限の安全装置への送電はディーゼル発電機で行った。

 この激しい暴風雨により、英イングランド南部、デンマーク、オランダ、そしてドイツの一部で、多くの列車が運行を見合わせた。また、デンマークの首都コペンハーゲン(Copenhagen)最大の空港の広報担当者によると、強風のため飛行機に階段を取り付けることができず、乗客約500人が機内で足止めされた。同空港は後に、発着共に閉鎖された。英ロンドン(London)のヒースロー空港(Heathrow Airport)では、約1割に当たる130便が欠航した。(c)AFP/Alice RITCHIE