【10月25日 AFP】英紙ガーディアン(Guardian)は24日、米国の情報機関、国家安全保障局(National Security AgencyNSA)が、ホワイトハウス(White House)、国防総省(Pentagon)、米国務省(State Department)の職員らから提供された世界の指導者35人の電話番号の会話を盗聴していたと報じた。

 米中央情報局(CIA)の元職員でロシアに一時亡命したエドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者が暴露した機密文書から、NSAが「顧客」である他の政府機関と密接に連携して外国の主導的立場にある政治家の電話番号を入手していたことが分かったという。

 同機密文書はまた、外国の指導者のものを含む200件以上の電話番号を提供した匿名の米政府職員にも言及。こうした外国指導者らは直ちにNSAによる監視の対象になったことを明らかにしている。

 ガーディアン紙が引用したNSAの2006年付のメモは、監視が単発的に行われていたのではなく、日常的に外国の指導者らの電話番号を使用した盗聴が行われていたことを示している。

 メモにはまた、「最近のケースでは、ある米政府職員は外国指導者35人の計200件の電話番号をNSAに提供した」と書かれている。

 一方で同メモには、盗聴から「報告に値する情報」を得ることはほとんどなかったことが書かれている。

 米国の情報活動をめぐっては、米政府がドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相の携帯電話を傍受していたとの疑惑が浮上したばかり。この疑惑はドイツ側からの激しい反発を招いている。

 ホワイトハウスはこれまでのところ、過去にメルケル首相の電話を盗聴したことがあるかについて明言を避けている。(c)AFP