【10月23日 AFP】韓国のたばこ最大手KT&Gは23日、たばこの銘柄「This Africa(ディス・アフリカ)」の広告で、人の衣服を着たチンパンジーのイメージを採用していることが人種差別だとの非難を受け、この広告を中止すると発表した。

「ディス・アフリカ」は約1か月前に発売されたばかりの新製品。アフリカ流の「伝統的」なローストと乾燥方法で作っていることをアピールした製品で、パッケージには2匹のサルが、たき火でタバコをあぶっている絵が描かれている。

 韓国全国のコンビニなどに掲示された広告パネルやポスターでは、ニュースキャスターとリポーターの衣装を着たチンパンジーが「アフリカが来る!」とのスローガンを発表している。

 この広告に対し、アフリカのたばこ規制アライアンス、ATCAAfrican Tobacco Control Alliance)が「KT&Gによる、嘲笑的イメージの不謹慎で侮辱的な使用に強い憤りを感じる」との声明を発表し、ポスターの掲示中止を要求した。

 KT&Gはこの問題に「遺憾」の意を表し、「人種差別の懸念を一掃するため」に今月中にこの広告を中止すると発表。同社広報はAFPの取材に「サルを選んだのはサルが人々にアフリカを想起させるすばらしい動物だからであり、誰かの気分を害する意図は全くなかった」と述べた。

「アフリカの伝統的方法で製造されたタバコを含んでいることから、アフリカの自然を象徴するイメージを採用しようと考えた」と同広報は述べた上で、たばこのパッケージの絵は差別的でないとしてパッケージを変更する計画はないと語った。(c)AFP