【10月13日 AFP】「死の動物園」の悪評を買っているインドネシアのスラバヤ動物園(Surabaya Zoo)で10日、飼育されていたボルネオオランウータンが病死した。動物の不審死が相次いでいることから、同動物園の閉鎖を求める声が高まっている。

 同動物園の広報担当者、アグス・スパンカット(Agus Supangkat)氏によると、死んだ15歳の「ベティ(Betty)」は1週間にわたって集中治療を受けていたものの、呼吸困難で死んだ。医療記録によると、ベティはスラバヤ(Surabaya)市内で著しく高い気温が続いていたことが原因で、肺に炎症を起こしていた。

 同動物園では2週間ほど前にも、12歳のボルネオオランウータン「ナニック(Nanik)」が腸腫瘍と肝機能障害で死んでいる。ボルネオオランウータンは通常、50~60歳まで生きることが多い。

 スパンカット氏は、同動物園の飼育方法に問題があったとの見方を一切否定。オランウータンの飼育スペースを緑の多い屋外に設け、果物やミルク、マルチビタミンを与えるなど健康的な食生活をさせていたと主張した。

■喫煙するオランウータン、包装ラップを食べるキリン

 スラバヤ動物園はインドネシア最大の動物園だが、数年、動物が若死にしたり、虐待されたりする事例が多発している。

 絶滅が危惧されるオランウータンについては昨年7月、15歳の「トーリ(Tori)」が禁煙のため隔離された。同動物園の管理当事者は、来場者が火の付いたたばこを展示スペース内に投げ入れることを10年近く容認し、たばこを吸うオランウータンとしてトーリを呼び物にしていた。

 また、昨年30歳で死んだ同動物園の雄のキリンを解剖したところ、胃の中からビーチボール大のプラスチックの塊20キロが発見された。来場者が囲いの中に投げ入れた食品包装用のラップだったという。

 複数の動物愛護団体は同動物園の閉鎖を求めており、この方面の活動に取り組んでいる英歌手モリッシー(Morrissey)さんも昨年この動きに加わった。(c)AFP