【10月8日 AFP】2011年に事故を起こした福島第1原子力発電所の周辺の海で獲れた水産物を韓国が全面禁輸した問題について、日本政府が世界貿易機関(World Trade OrganizationWTO)に介入を要請した。農林水産省当局者が8日、語った。

 日本政府は、福島県など8県の水産物を韓国が輸入禁止した問題について、食品安全問題を扱うWTOの衛生・植物防疫委員会(Sanitary and Phytosanitary Committee)で議題に上げることを求めている。

 韓国は先月、福島第1原発から太平洋に高濃度放射性汚染水が流出した可能性があることを東京電力(TEPCO)が認めたことを受け、汚染の恐れがあるとして日本の水産物の禁輸措置を拡大した。禁輸措置がとられたのは、福島県、茨城県、群馬県、宮城県、岩手県、栃木県、千葉県、青森県の8県。このなかで群馬県と栃木県は海に面していない。

 農林水産省当局者によると、日本政府はWTOの委員会で、日本の水産物が国際基準に基づいて厳格に安全管理されており、韓国の禁輸措置には科学的根拠がないことを説明する考え。韓国に禁輸解除を求めた上で、この問題の協議を委員会に要請する方針という。

 委員会には禁輸を解除させる強制力はないが、当局者は、何年もかかる正式なWTO提訴で解決するよりも韓国が自発的に解除することの方が望ましいと語った。(c)AFP